《地鎮祭》行いました!地鎮祭の意味・必要な準備等について
戸建ての家を建てると決断し、工務店やハウスメーカーと幾度の打ち合わせを繰り返し、いよいよ着工の日が見えてきたというタイミングで登場するのが《地鎮祭》。私たちもついにこの日を迎えることとなりました。
初めて地鎮祭を経験される方は、その意味や事前準備などわからないことも沢山あるかと思いますので、実際に行った感想も交えつつお伝えしていきます。
地鎮祭とは
地鎮祭とは、新しく建物を建設する際、工事が無事に終わるように神主を招いて安全祈願する儀式のことです。その土地を守っている神様を祀り、土地を利用させていただく許しを請うという意味もあります。
古くから行われている伝統的な風習で、現在でも簡略化される部分はあるものの日本全国で受け継がれています。地鎮祭の方式は神式が一般的になっていますが、宗教によって仏式やキリスト教式で行われることもあります。
地鎮祭はやらなくてもいいの?
地鎮祭を行うかどうかの判断は自由で、義務ではありません。手間や費用を考慮し、潔く行わないという方も増えてきているようです。基本的には行われるものなので、行わないという意思がある場合は事前に施工会社に伝えておきましょう。
「必ず行わなければならない」というわけではないものの、この先何十年もその土地で暮らし、お世話になると考えると、土地の神様に感謝を示して平安をお祈りするのもよいのではないかと思います。
参加者
地鎮祭には基本的に施主(家を建てる本人)、神主、設計者、棟梁、現場監督など工事関係者が参加します。 同居しない両親等家族の参加は自由ですが、地鎮祭を行う際は日程など事前に報告しておくと無難です。
当日までの準備
日取りの決定
一般的には、六曜の「仏滅」や「赤口」を避け、「大安」「友引」「先勝」に行うのがよいとされています。吉日の中でもできれば避けた方がいい時間帯があり、可能な限り考慮するといいでしょう。
- 大安:一日中吉
- 友引:午前中と夕方〜夜は吉 / 11時〜13時は凶
- 先勝:午前中は吉 / 14時〜18時は凶
もし雨が降ってしまっても日を改める必要はありません。雨が土地を清め、むしろ縁起がいいといわれているため、ポジティブに捉えて臨みましょう。
神主さんへの依頼
神主さんへの依頼は施工会社が行ってくれることがほとんどです。もし自分で依頼する場合には、家を建てる土地の氏神神社に頼むのが一般的です。
必要なものの準備
初穂料(はつほりょう)
地鎮祭の初穂料は、地鎮祭の際に感謝の気持ちを示すために支払われる料金です。
2万~5万円程度をのし袋に入れて奉納します。
渡すタイミングは地鎮祭が終わった後、速やかに神主さんに渡しましょう。
地鎮祭の会場作り
竹4本、締め飾り、幕、砂や鍬、榊など。
当日会場のセッティングは施工会社が行ってくれる場合がほとんどです。
お供えもの
- お清めの品
- 酒(1升・「奉献」と書かれたのし付きのもの)
- 水(一合)
- 塩(一合)
- 米(一合・一度洗って乾かしたもの)
- 海の幸 2種類
- 尾頭付きの魚(タイ、サンマ、アジなど)
- 乾物(するめ、昆布、ノリなど)
- 野の幸 2〜5種類
- ニンジン、大根、サツマイモなど土になるもの
- 山の幸 2〜5種類
- リンゴ、梨、オレンジなど木になるもの
地鎮祭で必要な資材などは基本的に施工会社が用意してくれますが、お酒、水、塩、米、野菜、魚などのお供えものに関しては自分で用意をする場合が多く、かかる費用は1万円程度です。地域によっても異なるため、施工会社と事前に確認をしましょう。
ご近所への手土産
タオル、ティッシュ、お菓子などの粗品。(一般的に地鎮祭終了後、ご近所への挨拶回りを行います)
「ご挨拶」または「粗品」ののしを貼って渡すとより丁寧です。
服装
個人宅の場合、基本的に服装は自由。
スーツにネクタイなどかしこまったものでなくても大丈夫です。ですが、地鎮祭の後にご近所への挨拶回りもいく場合が多いため、綺麗めで好印象な服装が望ましいです。
地鎮祭当日の流れ
一般的に地鎮祭は以下の12の行程で進められます。できれば、地鎮祭が始まる前に手水桶(ちょうずおけ)と柄杓(ひしゃく)を用意して、手を清めておくとよいでしょう。
- 修跋(しゅばつ)の儀
- 全員が起立して、神主さんが、お供え物と参列者を祓い清めます。
- 降神(こうしん)の儀
- 神主さんが土地に鎮まる神様と地域の神様をを招きます。参列者は起立して、頭を下げてお迎えします。お迎えしたら、一度着席します。
- 献饌 (けんせん)
- 神主さんが、奉献酒とお水の蓋を開け、お供え物を神様に差し上げます。
- 祝詞奏上(のりとそうじょう)
- これから先、この土地をお借りして家を新築する事を神様に奉告する儀式です。参列者は起立して、頭を下げ工事の安全を祈願します。
- 四方祓い(しほうはらい)
- お米とお塩、白紙によって土地を清めます。
- 鍬入れの儀(くわいれのぎ)
- 鍬入れの儀は地鎮祭のメインイベントであり、施主も参加します。鍬入れの儀では、施主は大きな声で「エイエイエイ」と3回かけ声をかけて砂を崩す動作を行います。通常は設計者が鎌、施主が鍬、施工会社が鋤で3回土を掘り起こします。
- 玉串拝礼(たまぐしはいれい)
- 神主さん、施主、工事関係者の順番に2礼2拍1礼で玉串を祭壇に置き神様に捧げます。祭壇に置くときは、茎を祭壇に向けて両手で丁寧に置きます。
- 撤饌(てっせん)
- 神主さんが奉献酒とお水の蓋を閉め、お供え物を下げます。
- 昇神の儀(しょうじんのぎ)
- 神主さんが神様を送り返します。一同起立して、神様をお見送りします。
- 神酒拝戴(しんしゅはいたい)
- 安全を祈願して献杯します。音頭は神主さんが行います。
- 神官退下(しんかんたいげ)
- 神主さんが現場を後にし閉式となります。
- 直会(なおらい)
- 大きな工事現場では、地鎮祭の後にホテルやレストランで直会と呼ばれる食事会が開催されることがあります。しかし、個人宅や小さなマンションなどの場合は、コスト面を考慮し省略されることが多くなってきています。
- その代わりに1000円~3000円程度のお弁当を用意し、出席者に配布することもあります。
一般的に開会から閉会までで30〜40分程度です。準備や片付け、地鎮祭後の挨拶回りを含めて1時間半~2時間程度を予定していると良いでしょう。
地鎮祭が終了したらご近所へ挨拶回り
建設工事が始まると、騒音や工事関係者の出入りで近所の方にご迷惑をかけてしまうこともあるため、一般的に地鎮祭のタイミングで挨拶回りを行います。その際、タオルや箱ティッシュなどの粗品があるとより丁寧です。
『向こう三軒両隣』と呼ばれる、家の向かい側3軒と、両隣2軒(周辺のお宅)にご挨拶するとよいでしょう。
やってみた感想
私たちが地鎮祭を行ったのは7月21日の16:00からで、よく晴れた30度超えの真夏日でした。
現地に向かうと施工会社の方と神主さんが既に到着しており、額に汗を光らせながら会場づくりを始めてくれていました。(施工会社の方はぎっくり腰を患い、腰を労りながらも懸命に草刈りをして下さいました。)
手際良く祭壇が組まれ、竹が4本立てられ、供物が並べられて。緑に囲まれた田舎の景色と合間って、とても素敵な雰囲気でした。
式が始まると、神主さんの説明の通りに頭を下げたり、夫と二人で砂の山を崩したり、樒をお供えしたり。慣れない所作に戸惑いながらも、これから始まる工事の安全と二人の暮らしの平安を祈願することができました。
地鎮祭はやってみてよかったです!!
神主さんもお若い方でしたが、とても丁寧で、滞りなく式を進めて下さいました。
いよいよこの土地に自分たちの家が建つんだな、と改めて実感することができ、とても有意義な時間でした。
P.S.
田舎極まりない我が土地に停められた夫の車がなんかかわいい。